ITパスポート / SLA
ITパスポートのSLA・稼働率計算|停止できる時間を例題で確認
稼働率は「(対象時間 − 停止時間)÷ 対象時間 × 100」で求めます。SLAの目標を満たす停止時間の上限は「対象時間 ×(1 − 目標稼働率 ÷ 100)」。先に対象時間と除外条件を決め、時間の単位をそろえるのがポイントです。計算例の後に、解説を見ずに取り組めるオリジナル問題を用意しました。
稼働率の計算は「対象時間 → 停止時間 → 単位」の順で
SLA(Service Level Agreement)は、提供者と利用者が合意するサービス水準です。稼働率を問われたら、数字を式に入れる前に、次の3点を問題文から抜き出します。
| 確認すること | 読み取り方 |
|---|---|
| 対象時間 | 月の全時間か、営業時間だけか。分母に入る期間を決める。 |
| 停止時間と除外 | 計画保守などをどこから除くかは合意や設問の定義に従う。勝手に引かない。 |
| 時間の単位 | 1時間=60分。分母・停止時間・答えの単位をそろえる。 |
実際の稼働率(%)
(対象時間 − 停止時間)÷ 対象時間 × 100
許容停止時間
対象時間 ×(1 − 目標稼働率 ÷ 100)
あと停止できる時間
許容停止時間 − すでに発生した停止時間
99.9%は小数で0.999なので、停止できる割合は0.001です。最後の引き算がマイナスなら、すでに目標を下回っています。「停止時間の上限」と「残り時間」を区別しましょう。
計算例:30日・24時間で稼働率99.9%なら何分?
ある月を30日、1日24時間の全時間を対象とし、停止時間の除外はないとします。目標は稼働率99.9%以上です。
- 対象時間:30 × 24 × 60 = 43,200分
- 停止できる割合:1 − 99.9 ÷ 100 = 0.001
- 許容停止時間:43,200 × 0.001 = 43.2分(43分12秒)
60分停止した場合は(43,200 − 60)÷ 43,200 × 100 ≒ 99.861%となり、目標を下回ります。43.2分を「43分20秒」と読まないようにしましょう。小数部分の0.2分は0.2 × 60 = 12秒です。
同じ99.9%でも、1日8時間・20日だけが対象なら9,600分 × 0.001 = 9.6分。43.2分という答えを暗記するのではなく、分母を決め直します。
オリジナル問題:計画保守を除くと、あと何分停止できる?
地域施設の備品貸出システムを考えます。ある月のサービス提供予定時間は160時間です。このうち計画保守10時間は、合意により稼働率の分母となる対象時間にも、停止時間にも含めません。残りの対象時間で稼働率99.6%以上を目標とします。
計画保守とは別に、対象時間内で障害による停止がすでに27分発生しました。今月の提供予定時間と計画保守時間は変わらないものとします。
答えと解き方を確認する
正解はイ:9分です。
- 対象時間:(160 − 10)× 60 = 9,000分
- 許容停止時間:9,000 ×(1 − 0.996)= 36分
- 残りの停止可能時間:36 − 27 = 9分
- 検算:(9,000 − 27 − 9)÷ 9,000 × 100 = 99.6%
アを選んだ場合:160 × 60 × 0.004 − 27 = 11.4分は、計画保守10時間を分母から除いていません。対象時間の決め方に戻りましょう。
ウを選んだ場合:36分は月全体の上限です。すでに停止した27分を差し引く必要があります。
エを選んだ場合:0.15は「時間」で表した残り時間です。0.15時間 × 60 = 9分なので、「0.15分」ではありません。
イを選べた場合:なぜ10時間と27分を別々に引くのか、言葉でも説明できれば、条件を読み取れています。
間違えた箇所を直して、別のSLA問題へ
- 式を作れなかったら、対象時間・停止時間の表に戻り、分母と分子に入る数字を書き分けます。
- %や時間換算で迷ったら、99.9%の計算例を見ずにもう一度計算します。
- 上限と残りを混同したら、「上限36分のうち27分を使用済み」と一文で書いてから引き算します。
次は別のSLA初見問題を1問解き、選択肢を見る前に対象時間と問われている量を整理しましょう。下のボタンからSLAの問題に進めます。詳しい解説が開ける場合は、正解だけでなく各選択肢の理由も確認し、迷った条件を1つメモしてください。
別のSLA問題を1問解く →過去問の答えを覚えてしまった場合は、条件を変えて理解を確かめる学習手順も使えます。
SLAは「何を測る約束か」まで読む
教室の予約システムを外部へ委託する場合、「いつでも快適に使える」という表現だけでは、両者が同じ基準で評価できません。対象サービス、利用可能な時間帯、目標稼働率、障害時の連絡方法などを具体化します。
「問い合わせに30分以内に応答する」と「30分以内に障害を復旧する」は別の約束です。目標値の数字が同じでも、何を測るかで意味が変わります。
SLAとSLMの違い
SLAは合意したサービス水準、SLM(Service Level Management)はその水準を合意・監視・評価し、改善していく管理活動です。契約の文書を用意して終わりではなく、測定結果を確かめ、未達なら原因や改善策を検討します。
初見問題では「数値の目標を合意する場面」か「運用して見直す場面」かに注目します。目標を満たさなかった際の返金・サービスクレジット等の扱いは個別の合意によるため、自動的に全額返金と決めつけません。
よくある疑問
稼働率99.9%なら、何分停止できますか?
30日・24時間の全時間が対象で、除外がなければ43.2分です。対象時間が変われば上限も変わるので、必ず設問やSLAの測定条件から計算します。
計画保守は必ず分母と停止時間の両方から除きますか?
必ずではありません。この記事のオリジナル問題では両方から除くと明記しています。実際のSLAや別の設問では定義を読み、何から除外するのかを確認してください。
SLAがあれば障害は起きないのですか?
いいえ。合意する目標や扱いを明確にするもので、障害が絶対に起きないことを意味しません。対象時間、測定方法、除外条件も確認します。
稼働率の数字が高いサービスを選べば十分ですか?
数字だけでは比較できません。測定対象、時間帯、計画停止の扱いなどの条件が同じかを確認します。
理解を確かめる
SLAの初見問題を解いてみる
条件が変わっても判断できるか、オリジナル問題で試せます。ログインなしで開始できます。
SLAを1問解く →参考資料
用語・試験範囲の照合に使用した資料です。記事中の場面設定と数値例は学習用に独自に作成しています。資料確認日:2026年9月13日。